今回は Torpedo Wall of Sound (WoS) と言う Two notes のプラグインを紹介しようと思います。
プラグインなので、Pro Tools とか Logic とか Cubase とか DAW のエフェクトとして使うものです。
これは全ギタリストに使ってほしいと思うくらいお薦めなので、本当にぜひ試して欲しいソフトです。
少し大袈裟に感じるかもしれませんが、宅録でギターを録音してたり、DAW 上でアンプシミュレーター使ってたりする人には一度試して欲しいソフトです。
特に、プラグインのアンプシミュレーターを使っていて「なんか違う」と感じているギタリストは、Torpedo Wall of Sound を使うと解決するんじゃないかなと思います。
私がそうでしたから。
Torpedo Wall of Sound とは?
そのままですがキャビネットシミュレーターなので、スピーカーとマイクのシミュレーターです。
アンプシミュレーターはアンプを選んでいきますが、その要領でキャビネットやマイクを選んで使う感じのイメージです。
アンプシミュレーターでもスピーカーやマイクが選べるものがあると思いますが、WoS はそれに特化したソフトウェアです。
ギタリストには Torpedo Live や Torpedo C.A.B. のソフトウェア版と説明した方が分かりやすいでしょうか?
キャビネットシミュレーターと呼ばれるものはアナログ・デジタル、ハード・ソフト色々ありますが、Two notes の Torpedo シリーズはその中でも確固たる地位を築いた感があるので、知ってる人も多いのかなと思います。
が、その Torpedo のソフトウェア版があって、ハードを持ってなくても使う事が出来ると言うのは、あまり知られていないのかなと。
私はまったく知りませんでした。
理由はいろいろあると思うのですが、そもそも日本代理店のサイトに情報が無いですよね。
以前の代理店のサイトには情報があるのですが、そっちで紹介されているパッケージは今は手に入らないので、そこで断念してる人も多いのかなと。
WoS にはパッケージ版は無いと思うので、昔の代理店のオリジナル商品だったのかなと思いますが、これがまた分かりにくくしているような気がします…
が、ここで断念するのはもったいないので頑張って使ってみてほしいです。
最初にも書きましたが、クオリティが凄く良いですし、何より安いので。
Torpedo Wall of Sound を使うには?
WoS 自体は Two notes の公式サイトから無料でダウンロードできます。
Two notes Audio Engineering – Torpedo Wall of Sound
is a speaker and miking simulation plugin. A plugin is a software you can load on a track of your sequencer, such as Cubase, Logic, Pro Tools, Reaper, inside your Digital Audio Workstation.
//cdn.embedly.com/widgets/platform.js
試用期間の30日間は最初から入っている2つのバーチャルキャビネットを使うことが出来るので、それを使ってすぐに使いだせます。
WoS はバーチャルキャビネットのファイルを読み込むためのソフトウェアで、バーチャルキャビネットを追加購入していくことで選択できるキャビネットを増やすことが出来るソフトです。
プレイバックサンプラーと音源ファイルみたいな関係ですね。
「サンプラーアプリ自体は無料だけど、音源ファイルを買わないと意味がない」みたいな。
WoS はバーチャルキャビネットを一つでも購入すれば最初から付属する 2つのバーチャルキャビネットも含めて試用期間終了後も使い続けることが出来るようになります。
バーチャルキャビネットの価格は 8 € (ユーロ) なので、これを書いてる現時点のレートだと大体1100円くらいでしょうか?(2018年2月)
なので、試用期間終了後も使いたいと思った場合には、何でも良いのでバーチャルキャビネットを Two notes Store で購入すれば良いわけで、最低1100円程度払えば良いわけです。
安くないですか?
好みにもよるとは思いますが、最初からついてくる2つのキャビネット自体かなり使えるので、それだけでも価値はあるかなと個人的には思います。
ちなみに、お得なバンドルなんかもあって、ひとつづつ買うよりも安くバーチャルキャビネットを買えるので、それを選択する手もあります。
WoS には La Boutique という機能?があり、それを使うと簡単に新しいキャビネットを試すことが出来るので、好きなキャビネットを見つけて購入すればよいだけです。
Torpedo Wall of Sound の利用方法
使い方は大きく分けて「アンプシミュレーターと組み合わせて使う」か「実際のアンプと組み合わせて使う」かの 2パターンではないかと思います。
アンプシミュレーターと組み合わせて使う
DAW上でアンプシミュレーターと組み合わせて使う方法で、これが一番簡単な使い方ではないかと。
単純にギターをオーディオインターフェースに接続して、アンプシミュレーターを通して、キャビネットとして WOS を使うイメージ。
例えば BIAS FX と組み合わせて使う場合だとこんな感じで、CABセクションで Bypass を選ぶだけ。
で、BIAS FX の後段に WOS を挿入すればキャビネットシミュレーターとして WOS を使う事出来ます。
この使い方は他のアンプシミュレータープラグインでもキャビネットシミュレーターを OFF にできれば使えます。
Positive Grid BIAS FX Professional
Amazon / 楽天 / サウンドハウス
実際のアンプと組み合わせて使う
実際のアンプのスピーカアウトの音に対して WOS をかけるというイメージ。
私のおすすめの機能はこちら。
私は、Mesa/Boogie Mark Five: 25 というヘッドアンプを使ってるのですが、そのスピーカーアウトを RNDI をスピーカーモードで使ってDAWに録音しています。
Rupert Neve Designs RNDI – DI (ダイレクトボックス) – M.Lab
だいぶ前ですが、 Rupert Neve Designs RNDI という DI (ダイレクトボックス) を買いました。 DI と言うとギターというよりはベースのイメージが強いのですが、録音、特に DAW など宅録でギターを録音する場合にはとても重宝する機材です。 DI には色々な使い方があるのですが、 全く何も加工されてないそのままのギターの音と、エフェクターやアンプを経由して完全に作り込まれた状態の音を同時に録音するため に探していました。 DI について説明したのですが、難しい…
//cdn.embedly.com/widgets/platform.js
スピーカーアウトの音を録音する場合には RNDI や Torpedo Captor のようにスピーカーアウトの音を扱えるようなハードが必要になってしまうのが欠点ですが、この方法はヘッドアンプを使っているギタリストにおすすめの使い方です。
というか、おそらく一般的なギタリストがとっつきやすいのはこっちかなと。
何故かというと、キャビネットから先だけ PC上で処理するので、今使ってる機材を全部そのまま使えるからです。
最近のアンプシミュレーターは凄く優秀なので「アンプの音」という意味ではアンプシミュレーターで満足するギタリストは多いと思うのですが、
自分の機材全部を PC上で再現できるのか?
ってなったらは話は違うと思うんですよね。
私の場合だと、strymon TIMELINE や eventide H9 で作ったディレイ音とか、Analog Man King of Tone をアンプのクリーンに軽くかけた音とかが肝だったりするのですが、これらのエフェクトまで含めて PC上で再現しようとすると激しく面倒だったりします。
が、ヘッドアンプの出力を録音することで、ギター~アンプで完成された音をそのまま録音することが出来て、後はキャビネットとマイクの部分だけを PC 上で WoS を使って設定すれば良くなるわけです。
Torpedo Captor のようなロードボックスと組み合わせた場合には、音量絞ったり無音で録音できるので、自宅でヘッドアンプを鳴らして録音できるメリットもありますし、録音物のギターの音ってキャビネットとかマイク、マイキングでかなり音が変わるのですが、この辺りを録音時に詰める必要が無いというのも大きなメリットかなと。
Two notes – Torpedo Captor
楽天 / Amazon
ちなみに、WOS はパワーアンプのシミュレートも出来るので、プリアンプを使っている人はプリアンプの出力を録音して WOS でパワー管以降の音を作り込んでも良いと思います。
ソフトウェアのキャビネットシミュレーターを使う意味
色々と書いてきましたが、ソフトウェアのキャビネットシミュレーターを用意する意味あるの?って意見は結構あるのかなと。
そもそも用途が良くわかないというか、どういったときに必要になって何を解決してくれるのかがピンと来ないというか。
例えばハードウェアの Torpedo の場合には、ヘッドアンプをそのまま使えるロードボックスとしての機能だったり、プリアンプとかペダルをそのままPAや録音に使うための機能があったりするので用途が分かりやすいと思いますが、ソフトウェアとなると途端に分かりにくくなる。
なので、
アンプシミュレーターで良いじゃん。
とか
(ハードの)キャビネットシミュレーターで良いじゃん
って意見は当たり前というか、普通にあると思うんですよね。
アンプシミュレーターで良いじゃん
これはその通り、BIAS AMP とか使ってて不満がなければ特に必要ないと思います。
が、もし「何かが違う」と感じてるなら試してみる価値はあると思うんです。
繰り返しになってしまうんですけど、ギタリストがソフトウェアのアンプシミュレーターを使っていて感じる「なんか違う」という感覚は Torpedo Wall of Sound を使うと結構な確率で解消するんではないかと思うんです。
雑ですが、嘘臭さが無くなる感じで、間違いなくギタリストが思う「ギターらしい」音に近くなるんですよね。
(ハードの)キャビネットシミュレーターで良いじゃん
これもその通り。
アンプに付属してるキャビネットシミュレーターとか、単体のキャビネットシミュレーターとかでも問題ないと思います。
ただ、基本的に上記の機材の場合、使えるキャビネットが限られてることが多いので、WoS のように後からキャビネットを追加したりすることは難しいかもしれません。
あと、基本的にハードの場合には録音時点で音が確定しますが、WoS は後からキャビネットなどの設定を変更できるというのも大きな違いです。
という感じで書いてみたのですが、なかなか説明が難しいですねw
たぶん使ってみるのが一番早いと思います。
無料で試せるし、仮に30日間で試しきれなくても1000円ちょっとで試すことが出来るので。
本気で全ギタリストに試してみてほしいと思うプラグインです。
機会があれば是非使ってみてください。
損はないと思います!
Torpedo Reload – コスパ最強のギター宅録ツール全部入り機材 – M.Lab
WOS を使ってみて気に入ったあなた! Two notes Torpedo Reload を買いましょう。メチャクチャお薦めです!
“Torpedo Wall of Sound – 最強のキャビネットシミュレーター プラグイン” への1件の返信